先日、
心にジーンと染みる話を聞きました。
──というより、
前からどこかで
聞いたことはあったけれど、
こんなにも強く意識したことはなかった。
そう言った方がしっくりきます。
人や動物、植物が生きていることは、
見ればわかりますよね。
でも、日常にある“物”も生きている──
そんなふうに思えることって、
そうそうないと思いませんか?
たとえば、
道具を丁寧に磨いたり、
身の回りをきちんと整えたり。
「物を大切にする」
って感覚はある。
でも、そこに“命”や“意志”を感じることって、
あまりない。
そのとき聞いたのが、
こんな言葉でした。
「物は、それを生かしてくれる人のところに集まる」
……
あぁ、
聞いたことある。
って思った人もいるかもしれません。
でも、
「じゃあ、“生かしてくれる人”って、どんな人?」
そう考えたことのある人は、
意外と少ないんじゃないでしょうか。
ここで、ちょっと想像してみてください。
もし、あなたが“物”だったとしたら。
どんな人の元にいたいですか?
どんな手に触れていたいですか?
-
駒のように使い捨てられる人?
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足で押しのけるように扱う人?
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いつも怒鳴っている人?
-
用が済んだら、投げて片付ける人?
それとも──
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使ったあとに「ありがとう」と拭いてくれる人?
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朝、「今日もよろしくね」と声をかけてくれる人?
-
あだ名をつけて、まるで相棒みたいに呼んでくれる人?
この話をしてくれた方は、
毎朝、自分の使う道具に向かって
「よろしくね」
と挨拶をし続けているそうです。
その姿勢に、
なんとも言えない温かさを感じました。
そして、心がふわっと動きました。
「よし、自分もやってみよう」
そう思った瞬間でした。
物はただの道具じゃないかもしれない。
だって、想いを込めて扱えば、
そのぶんだけ応えてくれる気がするから。
だから今日から、
ひとつひとつの道具に、
ちょっとだけ気持ちを込めて
声をかけてみます。
「よろしくね」って。